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高森明勅
2016.11.20 01:00

呆れ果てた「廃帝」というプラン

ご譲位を巡る有識者会議のヒアリングに呼ばれた1人は、
記者団の前で「退位後の天皇は前天皇と呼べば良い」と語ったようだ。

呆れ果てた暴言と言う他ない。

“前”天皇というのは、もはや天皇では“ない”、というだけの意味。

前総理とか、前校長とかと同じ。

つまり、天皇が皇位を退かれて、「太上天皇」という
新しい地位にお移りになるのを、
拒否している訳だ。

天皇を天皇でなくするだけ。

天皇を天皇でなくする(その上、太上天皇にもなられない)
ことを
普通、「廃位」という。

廃位された天皇は歴史上、畏れ多いことながら2例あり、
「廃帝」と呼ばれた。

本人が自覚しているかどうか知らない。

だが、彼の言っている事は、今上陛下を“廃帝”にせよ!
と主張しているに等しい。

昔なら血が流れても不思議ではない暴言だ
皇室にご迷惑になるので、今は勿論そのような事があっては
ならないが)。

今回のヒアリングは、全国民の中から(極めて少数しかいない)
反逆者」をわざわざ探し出して、政府が丁重に意見表明の場を
与えているのか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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